小さな嘘

自己理解

小さな嘘をついていた。
人に合わせるために。
自分の正体がばれないように。

いつの間にかそれが当たり前になっていた。
自然すぎて自分でも何が本当かわからない。

おもしろそうですね
楽しみですね
行ってみたいです

これっぽっちも思っていなくても笑顔でそう言っている。
その場の空気を壊さないように。
それが最も優先される。

ずっとそうやって生きてきた。
小さな嘘を重ねてきた。
自分は社会不適合者だと思っていたから、
普通の人間のフリをしないといけなかった。

普通の人間ならこういうことに興味があるはず
普通の人間ならこういうふうに反応するはず
普通の人間ならこういうことを期待するはず
普通の人間なら・・・

おいおい、普通の人間ってなにさ?

あるときから、普通の人間のフリをやめた。
今でも自分は社会不適合者だと思うけれど、
以前と決定的に違うのは、むしろ嬉しく思っていること。

昔は自分が社会不適合者だということを
ネガティブにとらえていたし、
すごく恥じていた。

だから、毎日つらくて苦しくて不幸だった。
自分の本性がばれないように、
「普通の人間」という実態のない何者かを演じていた。

でも単に「現在のこの国の社会」に不適合なだけで、
私自身の価値が低いわけではないと気づいてから、
社会不適合な自分を好きになれるようになった。

私が社会に不適合なのではなく、
社会が私に不適合なのだ。

日常の中で、自分の社会不適合さに気づくたびに
ますます自分を好きになっていく。

今ではそれが楽しくてしょうがない。