世界を歪めるフィルター
こんにちは。じんびです。
今日は私たちが世界をみているフィルターについて。
私たちは皆、自分の都合のいいように世界をみています。
そう言うと、いや、自分は違うと反論する人がいるかもしれませんが、
誰しも何らかの偏りを持っているものです。
常にありのままに見ているように思ってしまいますが、
実はそれぞれのフィルターを通して見ているのです。
なので、起こった出来事は同じはずなのに、
それを見ている人たちはそれぞれ違った解釈をします。
たとえば、職場で上司に、
「この本、参考になると思うから読むといいよ」と
一冊の本を渡されたとします。
タイトルは「人を動かすビジネスメール」。
(仮称です。実在しません)
そのとき、あなたならどう感じるでしょうか。
Aさん、Bさん、Cさんの3人が同じように本を受け取ったとします。
3人とも応えるセリフは同じようなものです。
「わあ、ありがとうございます!参考にさせていただきます」
しかし心の中は。
Aさん:
おもしろそう。上司のおすすめだから読んでみよう。
Bさん:
上司は私のスキルを向上させようとしてくれてるんだ。嬉しい。
Cさん:
なんでこんな本を。私のメールに問題があるとでも言いたいのかな。
同じ状況にあって、その解釈はまったく違うようですね。
Aさんはニュートラルですね。
上司の言葉をそのまま素直に受け取っています。
Bさんはかなり好意的な受け取り方をしていますね。
何事もこれくらいポジティブに考えるといいかもしれません。
Cさんはちょっと屈折した受け取り方をしていますね。
普段からこの上司とどのような関係を築いているのかわかりませんが、
上司の行為をかなりネガティブにとらえる傾向があるようです。
実際にこの上司がどのような考えで本を渡したのかはわかりません。
AさんもBさんもCさんも、自分のフィルターを通して上司の意図を推察しました。
Bさんは普段から、上司が自分を成長させようとしてくれているのを
感じていたのかもしれません。
Cさんはメールの書き方について、
上司から何度も注意されたことがあったのかもしれません。
しかし、そのような過去の出来事と、
今回本を渡されたことが関係しているかどうかは、
実際に上司に聞いてみないとわからないのです。
それなのに、私たちは過去にあった出来事や経験と、
今起きていることを結びつけて考えてしまいがちです。
アドラー心理学では、人は現在の目的に合うように
過去の出来事や記憶を選択すると言われています。
つまり、Bさんの場合は、「上司は私を育ててくれる」と思いたいという目的があり、
その目的に合うように、過去に上司がアドバイスしてくれたことや、
期待していると言ってくれたことなどを選んで記憶にとどめているのです。
そして、Cさんの場合は、「上司は私を評価していない」と思いたいという目的があり、
その目的に合うように、過去に上司に注意されたことや、
上司を失望させた経験などを選んで記憶にとどめています。
そのため、同じ本を渡されたのに、
まったく違う解釈をしてしまうのです。
自分がどんなフィルターを通して世界を見ているか、
自分ではなかなか気づくことができません。
しかし、何かの折りに、人と違う解釈をしたときは
自分のフィルターに気づくチャンスです。
その人はどんなフィルターを持っているのだろう。
私はどんなフィルターを持っているのだろう。
その人と自分では解釈がどう違っていたのかを分析すると、
フィルターの違いがわかってきます。
以前、ビジネスパートナーと共同で会社を経営していたとき、
顧問の税理士から定期的に通帳のコピーを送るように言われました。
そのとき、私は税理士がきちんと残高をチェックをしてくれるのは安心だと思いました。
しかしビジネスパートナーは、何か不正があると疑われているのだろうかと思ったそうです。
もちろん私たちにやましいところはなく、不正などまったくなかったのですが、
その人は通帳をチェックされるということは疑われているということだと解釈したのです。
実はその人は、普段から「人は自分を陥れようとしている」と考える傾向があり、
それまでも取引先やスタッフと行き違いが発生したことがありました。
自分では思いもよらなかった相手の反応に、私は少なからず驚いたのですが、
同時に、自分はものごとを好意的に解釈する傾向があるのだと気づきました。
ものごとを否定的にとらえる人との対比で、自分の傾向に気づいたのです。
このように、同じことを経験しながら、まったく違う反応や解釈に遭遇したときは、
スルーせずに掘り下げて考えてみてください。
あなた自身のフィルターに気づくきっかけになるかもしれません。
自分のフィルターに気づくことができれば、
意識的に解釈を変えることができます。
一度身についたフィルターはなかなか外すことができないのですが、
それでも意識して、違う解釈もあり得るということを考える癖をつければ、
だんだんものごとを柔軟にみられるようになります。
自分のフィルターに気づき、ひとつひとつ外していくことで、
世界の見え方が変わってきます。
ぜひ、あなたのフィルターを探してみてください。










