「伝える」と「伝わる」の間にある絶望的な隔たり

コミュニケーション

こんにちは。じんびです。

今日のテーマは誰もが経験したことがあるであろう
「言った、言わない」トラブルについて。

職場でも家庭でもよく繰り広げられる争いです。

「あなた今朝いいって言ったじゃない」

「いいや、俺はそんなこと言ってない」

「言ったわよ!朝出かけるときに私が確認したら『わかった』って言ったわ」

「いいや、絶対に言っていない!そんなこと言うわけがない」

よくある光景ですね。

同じように「聞いていない」バージョンもあります。

「会議の日程が本日に変更になったとお伝えしたはずですが・・」

「いや、そんなことは聞いていない」

「メールでもお送りしたし、おとといの朝礼でもアナウンスがあったかと・・」

「それなら気づいたはずだ。絶対に聞いていない!

このように、言った、言わない、聞いていないは、
円滑なコミュニケーションを阻害する大きな要因のひとつです。

口頭でのやりとりでは証拠がないため、
双方が主張をゆずらず水掛け論になりやすいですね。

なぜ「言った、言わない」が発生するのか。
ケースバイケースでいろいろな原因が考えられますが、
根本的な原因は、「伝える」ことと「伝わる」ことが
同じではないということを認識できていないからです。

言いました。
伝えました。

それは事実なのでしょう。

しかし、相手に伝わったかどうかまできちんと確認しているでしょうか。

伝えたつもりでも伝わっていないことはよくあります。
それは、相手がちゃんと聞いていなくて生返事していることもありますし、
伝えた内容を理解できなかったということも考えられます。

たとえば、職場でこんな会話があったとします。

Aさんは上司に「顧客Bに送る資料は急がないといけないよ」と言われました。
それでAさんは急いで資料を顧客Bに郵送しました。

その後、上司から「顧客Bの資料はどうなっている」と聞かれ、
「すでにお送りしました」と答えたところ、
「なんで勝手に送るんだ!」と怒られてしまいました。

「部長が早くお送りするようにとおっしゃったので・・」と言うと、
「私はそんなことを言っていない」と取り付く島もありません。

この上司とAさんのコミュニケーションは何が悪かったのでしょうか。
それぞれに話を聞いてみましょう。

Aさん
だって、部長が顧客Bに早く資料を送れと指示したんですよ。
言われたとおりにやったのに怒られるなんて、理不尽じゃないですか!

怒られたことに納得がいかないようですね。

では、部長の話はどうでしょうか。

部長
私は顧客Bに送る資料を作成して、早く私に提出するように指示したんです。
私のチェックなしに勝手に送るなんてAさんは非常識ですよ。

双方の言い分はだいぶ食い違っていますね。
でも問題点が明らかになってきましたね。

まず上司の指示のセリフ。

「顧客Bに送る資料は急がないといけないよ」

確かに上司は顧客Bに資料を送れとは言っていません。
しかし、作成した資料を自分に提出するようにとも言っていません。

上司としては、この言葉に

「顧客Bに送る資料を作成して、早く私に提出するように」

という意味を込めたつもりでした。

しかしAさんは、「早く顧客Bに資料を送りなさい」と受け取りました。

端的に言えば、曖昧な指示によって誤解が生じたということですね。

上司の頭の中では、
顧客に送る資料は必ず自分がチェックするルールになっているため、
顧客Bに送る資料を急ぐようにと伝えることは、
「私に提出しなさい」と伝えることと同じだったのです。

でもAさんは、今の仕事に配属になったばかりで、
部内のルールがよくわかっていなかったのです。

そのため、資料を急ぐようにという指示を、
早く送ることと受け取ってしまいました。

このケースでは、Aさんがまだ仕事に慣れていないことを考え、
上司がもっと具体的な指示をするべきだったでしょう。
指示を復唱させるなど、自分が伝えたことが、
相手に正しく伝わっているかを確認する方法はあります。

「伝える」と「伝わる」の間には私たちが思っている以上に大きな隔たりがあります。
どんなに言葉を尽くしても、意外と伝わらないものです。

そのことは、常に肝に銘じておいた方がいいでしょう。
逆に言うと、コミュニケーションにおいては、
常に「伝わっていない」ということを前提したほうがいいということです。

忙しい日々業務のなかで、
つい「伝えたつもり」に陥ることがありますが、
「伝わったか」を確認する習慣をつけるだけで、
コミュニケーション力が飛躍的に向上しますよ。