天職とは何か サルヴァトーレ・フェラガモの人生

自己理解

こんにちは。じんびです。

今日は天職とは何かについてお話ししたいと思います。

天職の話をするときに私が好んで使うのがサルヴァトーレ・フェラガモの話。
ご存じ、高級ブランドであるフェラガモの創始者です。
厳密にいうと創始者ではないかもしれませんが、そういうことにしておきます。

サルヴァトーレ・フェラガモはどういうわけか、「靴」が大好きで、
3歳のときから近所の靴職人の工房に入り浸っていたそうです。

そして、9歳のときには妹の洗礼用の白い靴をひとりで作り、
11歳のときに自宅のガレージで靴屋を開業しました。

子供の頃から靴一筋で、そのまま靴職人になるかにみえましたが、
そこには大きな壁があったのです。

実は当時のイタリアでは、靴職人は非常に身分が低い職業だったのです。
貧しい家庭に生まれたサルヴァトーレでしたが、それでも両親は猛反対。
「他の何になってもいいが、靴職人だけはダメだ!」と言われてしまいます。

それでも諦めきれないサルヴァトーレは靴職人としての腕を磨き続け、
努力を続け、ついに両親も根負けし、彼が靴職人になることを認めます。

その後兄弟たちと一緒にアメリカに渡り、ビジネスを始めるのですが、
方針の違いによりぶつかってしまいます。

そのころのアメリカは工業化の波が押し寄せ、靴も大量生産の時代です。
兄弟たちはひとつひとつ靴を作るより、
大量生産の靴を修理するほうが儲かるといいますが、
サルヴァトーレはあくまで手作りの靴にこだわります。

さまざまな苦労の末、
最終的にはハリウッドの映画撮影に採用されたことをきっかけに、
名だたる女優さんたちの靴を作るようになります。

今のフェラガモは紳士用品もあるし、
靴だけじゃなくていろいろなアイテムがありますが、
サルヴァトーレ自身はあくまで女性用の靴一筋でした。

紳士靴も頼まれれば作っていたようですが、
紹介などごく一部だったようです。
ムッソリーニのブーツを作ったというエピソードが残っています。

出典:夢の靴職人―フェラガモ自伝

この話から学べることはたくさんあります。

そのひとつは、人にはもって生まれた天命というものがあり、
どんな困難にもめげずにそれを貫くのが幸せな生き方だという考え方。

サルヴァトーレの生き方はまさにその代表です。
ごく小さい頃から自分の生きる道がわかっていて、
ひたすらそれを追求し続けた人。

イチロー選手や大谷選手、サッカーの本田選手など、
子供の頃からプロの選手になることを確信して、
努力を続けた結果、夢を叶えたような人たちもそうでしょう。

私たちは彼らのような生き方に憧れ、感動します。

しかし、サルヴァトーレが道を貫くためには、
一緒にアメリカに渡ってビジネスを軌道に乗せた兄弟たちや、
サルヴァトーレが亡くなった後もブランドを引き継ぎ
さらに拡大していった妻や子供たちのサポートが必要でした。

なにしろサルヴァトーレは靴を作ることにかけては一流でしたが、
お金を稼ぐことにはまったく無頓着でしたから。
兄弟たちが靴の修理で生計を立ててくれていたからこそ、
自分のこだわりである手作りの靴に集中できたのです。

サルヴァトーレの生き方にスポットライトが当たっていても、
光が当たらない周辺には大勢の人たちが関わっています。

あたかも偉大な靴職人の人生というプロジェクトを
たくさんの人々で作り上げているかのようです。

ここにもうひとつの学びがあります。

「偉大な靴職人の人生」というプロジェクトにおいて、
サルヴァトーレは「頑固に道を貫く職人」という役柄を演じきったのです。

そして、それを支えた人々もそれぞれの役割を演じ、
後世に語り継がれるひとりの職人の人生ができあがりました。
関わったすべての人が、ひとつの目標をもって天命をまっとうしたといえます。

イチロー選手もひとりで偉業を成し遂げたわけではなく、
お父さんやコーチ、チームメイト、奥様など、たくさんの人が彼を支えてきました。
彼らもイチローを一流の選手にする、そして一流であり続ける、
という目標のもとに、チーム戦で戦ってきたのです。

それぞれが役割を果たした結果、偉大な選手が生まれました。
プロジェクトメンバーの貢献なくしては成し得なかったことでしょう。

天職とはなにか。
共通しているのは、誰かのために生きるということ。

サルヴァトーレは自分の靴を必要としている顧客のために靴を作り続けました。
イチロー選手は自分を応援してくれる家族やファンのためにプレーし続けました。
彼らを支えた人々も、サルヴァトーレやイチローを通して
多くの人たちに貢献してきました。

私たちは皆、特別なお役目を授かって生まれてきます。
それを見つける鍵は誰かのために生きるということ。

自分のやりたいことと誰かのために生きるということが一致したとき、
あなたの中の才能が目覚めます。