譲れない価値観 キャリア・アンカー

自己理解

こんにちは。じんびです。

今日は自分に合った働き方を知る上で、とても役に立つ「キャリア・アンカー」という考え方を紹介します。

キャリア・アンカーとは、組織開発やキャリア開発の世界では有名なシャインさんという方が提唱した概念で、個人がキャリアを選択するときに、譲ることのできない動機や価値観、能力などを統合したもののことをいいます。

キャリア・アンカーの「アンカー」とは船を停留させる「錨」のことで、つまり、その人の行動や選択の動かせない軸となるものです。

私たちは過去の経験や、周りの人からのフィードバックなどを通して、自己イメージを作り上げていきます。
その自己イメージがキャリアを決定するときの基盤となります。

キャリアを決定する自己イメージ

キャリアに関する自己イメージには次の3つの側面があり、これらの組み合わせがそれぞれの人の個性に影響を与えます。

才能と能力

自分の才能、技能、有能な分野は何か。強み、弱みは何か。

動機と欲求

自分の主な動機、欲求、人生の目標は何か。何を望み、何を望まないのか。

態度と価値

自分の価値観は何か。やっていることをどのくらい好ましく思っているか。自分の仕事やキャリアに誇りを持っているか、恥ずかしいと思っているか。

自己イメージの3つの側面

こうした自己イメージによって、その人のキャリア・アンカーが決まります。
キャリア・アンカーは8つのカテゴリーに分類されます。

8つのキャリア・アンカー

専門・職能別コンピタンス

特定の分野で自分の能力や技術を発揮し、その分野で成長していくことに満足を覚えます。
自分の仕事の内容、つまり、自分が得意としている専門分野で活躍することこそ、自分らしい生き方だと感じています。

技術者や職人など、専門性を高めていくことに喜びを感じるタイプですね。

全般管理コンピタンス

経営管理そのものに関心をもち、組織内部で高い地位につき、自分の努力によって組織の成果を左右したいという願望をもっています。
専門性を高めることよりも、自分の権限や責任においてリーダーシップを発揮し、集団を統率することに満足を覚えます。

企業の中でマネジャーとして仕事を仕切り、部下を動かしていくことに魅力を感じるタイプです。

自律・独立

組織の規則や手順にしばられず、自分のやり方、ペースで仕事をすることを何よりも優先します。組織からは独立したキャリアを指向し、組織内にいるときでも、比較的自律的に仕事ができるところに落ち着こうとします。

保障・安定

マイペースでチームプレーよりも一人で仕事をすることを好むタイプです。

雇用や給料が保障され、安定している環境を求めます。年金や退職制度が整っている大企業や公共機関への就職を希望します。安定していて安心できる環境であれば、組織への忠誠や献身が見られ、進んで組織の指示に従います。

起業家的創造性

新しい製品、サービスや、新しい事業など、何か新しいものを創り出すことに対する強い欲求があります。がむしゃらに夢を追いかけ、自分自身の力によって何かを成し遂げたいという熱い思いを持ち続けています。

奉仕・社会貢献

世の中をもっとよくしたい、という欲求をもち、自分の能力を発揮することよりも、他者を援助することに喜びを感じます。自分が感心を持っている分野で社会に貢献できることを望みます。

純粋な挑戦

不可能と思えるような障害を克服すること、解決不能と思われる問題を解決すること、など困難な問題に取り組むことにやりがいを感じます。多くの人が挑戦を求めていますが、このタイプの人にとっては挑戦することこそが人生の大きなテーマです。変化を好み、バラエティに富んだキャリアを形成します。

生活様式

生活様式全体を調和されることを強く望みます。組織のために働くことには前向きですが、自分の生活様式に合わせた働き方ができるという条件を求めます。仕事とそれ以外の人生のバランスを考え、組織が個人や家族を尊重してくれることを望みます。

自分のキャリア・アンカーを見つける

いかがでしょうか。
あなたはどのキャリア・アンカーが近いでしょうか。
キャリア・アンカーは1つだけではなく、複数当てはまる場合もありますし、キャリアの局面によって変わることもあります。

自分のキャリア・アンカーを知るためには、ある程度の仕事の経験が必要になりますので、新入社員のときに当てはまると思っていたキャリア・アンカーが数年後に変わることもあり得ます。

変化したキャリア・アンカー

私の場合、一番当てはまるのは「自律・独立」です。
これは若い頃からずっと変わっていません。

でも、20代から30代の頃は「専門・職能別コンピタンス」と「全般管理コンピタンス」も強かったと思います。
IT関連などの技術力を身につけ、専門家として名をなしたいと思っていたり、
企業の中で出世し、権限や影響力を発揮したいと思っていたりしました。

今は「自律・独立」はそのままですが、「奉仕・社会貢献」や「起業家的創造性」が高まってきたように感じています。

これは、キャリア・アンカーが変わったというよりは、さまざまな経験によって、本当の自分がわかってきたということだと思います。

プロフィールにも少し書きましたが、20代から30代の頃の私はひたすらパワー(権力)を求めていました。
周りを支配、コントロールし、自分に逆らう人を排除していました。

それは本当の自分の欲求ではなく、恐れから来る間違った望みだったのです。
自分が望む働き方だと思っていたけれど、その先には本当に望むものはないのだと気づくには、さまざまな挫折や苦悩の経験が必要でした。

本当のキャリア・アンカーを探すには

誰にでも魂が本当に望んでいる働き方というものがあります。
しかし、どのタイミングでそれに気づくかは人それぞれです。

本当の欲求に気づくためには、時には回り道が必要なときもあります。
「これじゃなかった」と気づくことで、本当の望みがわかってくるのです。

もし今の働き方がキャリア・アンカーから大きく外れているのであれば、あまりやりがいを感じられなかったり、ストレスを感じていたりするかもしれません。
しかし、それはあなたが本当に望むことに近づくために必要な経験なのだと思います。

人生に無駄な経験はひとつもありません。
関係ないように思われた経験が、思わぬところでつながることはよくあります。

本当のキャリア・アンカーを探すためには、楽しいことも、つらいことも、たくさんの出会いと経験が宝になります。
自分の未来を信じて日々の経験を楽しみましょう!